米国の小児科医が、医者を描いた全世界の映画ナンバー1に選んだ作品

赤ひげ・・・このキーワードから皆さん何をイメージするだろうか?

赤ひげ先生。赤ひげ薬局。はては精力剤だっけ? と思いだすかもしれません。
その赤ひげ・・・本は山本周五郎の作品 赤ひげ診療譚 (新潮文庫) がモチーフされたものです。

今回紹介したいのは映画。 黒澤 明監督の傑作  『 赤ひげ 』

赤ひげ

舞台は江戸時代、貧しい庶民たちが訪れる診療所。 腕は確かだが無骨な所長 『 赤ひげ 』 の下に
当時最新のオランダ医学を学んだ青年医師が、とある理由から見習いとして住み込むことになる・・・

こんな感じで始まっていくのですが、若者は医師の出世コースから外れ、養生所へ入れられてしまった
という不満からか、自分の不幸をたなに上げ投げやりな態度で数日を過ごすものの ・・・
日々を精一杯に生きる人々の現実と人生に触れて、次第に心動かし医家として成長する姿を
若大将  加山雄三 が演じるキャスティングが見事にはまってます。

そして 三船敏郎 演じる 『 赤ひげ 』 。
幕府からは診療所の経費を削られ、今でいう「 公的医療費の削減 」の中、弱きにしわ寄せする幕府に対し
憤りと己のスタイルを貫かんとする葛藤の中・・・ 貧しい者からは薬代を取らず、権力者・富める者から
多額の薬代を取り立てるという、後のブラック・ジャックにも通じるようなエピソードを、三船敏郎ならではの
人間味溢れるキャラクターで描かれています。

1965年の作品ですが、養生論や心の病。  現代を見透かしたような時を感じさせない作品です。

途中、赤ひげがチンピラと立ち回りをするシーンがあるのですが、これまた見事で 『 活殺自在 』
昔の療術家は、( 活 ) 治療と ( 殺 )武道、ともにに習得していた事もうかがえたりします。

医は仁術・・・療術とは何かという事を、この作品は全て描いているのではないか!
「 仁 」 の文字は 「 二人のヒト 」 という意味合いで、一人では生きて行けない人間社会の最低の道徳律を
表すそうです。

最近では皮肉って 『 医は算術 』 なんて言われかたもしてますね・・・

普段、自分以外の施術に追われる療術家さんへのセルフケアにもお薦めです。
心に響く名作。 療術に関係なくとも死ぬまでに見ておきたい作品ではないでしょうか。