整体ってなんだ?

辞書には骨格などの歪みを矯正し、身体の均斉をとることにより
健康増進や体質改善などを図る事と定義されている。
しかし現在では 『 整体 』 という言葉を正確に定義するのは困難!
もともと整体には系統だった歴史や学問が明確でなく、様々な流派や技術が混在
しているようで1つの技術体系として成り立っているものではないようです。
整体以前には日本武術の中にある 『 活法 』 と称される治療術が存在してましたが
現代のように整体が民間療法の位置づけをされたのは大正時代にはいってからです。
まず明治44年に現在の厚生省にあたる (内務省)が日本伝統医学の一環であった
按摩術のみを免許制 (マッサージ師)として他の療術と区別します。
次いで大正9年にはマッサージ以外の療術に対する取り締まりをおこないました。
当時の東洋医学的立場の療術家はこれに反対しその当時日本へ流入したカイロや
オステオパシーなどの技法を導入し、そこに武道医学 『 活法 』をあわせてなんとか
統合を試みました。その結果誕生したのが 『 整体 』 と呼ばれる技術体系なのです。
現在の整体がカイロのような物理的手法と経絡経穴(ツボ)理論などの東西混合系が
多いのにはそのような背景があるようです。
近年では更に東西問わず色々な手法や考え方が取り入れられ百花繚乱の状態です。
■ カイロプラクティック
カイロプラクティックは1895年にアメリカ人のD.D.パーマーにより創始脊椎などの
椎骨がずれると神経が圧迫されて様々な症状を引き起こすという基本概念にもとづき
手によって脊椎を整え機能を正常化させるという療法です。
整体が東洋医学をベースに長年の経験の蓄積により発達してきたのに対してカイロ
プラクティックは西洋医学に基づいています。
米国公認のD.C(ドクター・オブ・カイロプラクティック)の資格を持つドクターは
アメリカでは医師と同等の資格?だが日本では法制化資格はありません。
■ オステオパシー
身体全体をひとつのユニットとして考え、人間自ら持っている自然治癒力を高めるため
筋肉・筋膜・骨格・頭蓋・内臓・神経系・リンパ・血管等を一つのユニットとして捉え
その障害歪みを解放する治療を施す。
アメリカではすべての州でDoctorofOsteopathy(D.O.)の免許を認可している。
D.O.の特徴としては外科手術や投薬に関して認められていることです。
D.O.は、整形外科医に転向することもできます。日本では法制化資格はありません。
■ スポンディロセラピー
1910年にアメリカのアルベイト・エブラムによって創始。スポンディロ(脊髄)と
セラピー(療法)と言う意味で「脊髄療法」または「脊髄反射療法」と呼ばれる。
スポンディロセラピーでは皮膚や脊椎の棘突起を叩打したりすることによって
脊髄反射中枢に刺激を与えて疾病の治療を行う。脊髄反射は所定の脊椎から特定の
内臓に反射現象が起こるので反射中枢に対するある程度の知識が要求されます。
スポンディロセラピーは大正時代に日本に導入される。法制化資格はありません。
■ 野口整体
野口整体では人間にあるという体癖(体の歪み)を、愉気法や活元という独自の方法で
自己治療し修正現象がおきることで自然体になるとする。基本的には他人を治療するの
ではなく自分で、自分を治療できるよう指導するのが野口整体の特徴。
昭和20年代後半には、人間の性格研究の成果として『 体癖論 』をまとめる。
1956年に旧文部省の認可を受けて社団法人整体協会を創立。
いろいろな治療法の混在した一般の整体から区別するために、彼の整体は特に野口整体
と呼ばれ活元運動・愉気法など独自の概念や方法論をもつ。
■ 操体法
医師であった橋本敬三が 高橋迪雄の正体術など民間の健康法をみずから実践し
肉体の変化が進む過程で何が起きているかをつかんだ結果うまれた施術。
具体的には痛みやつっぱりを感じるときに痛い方向・つっぱる方向から痛くない方向
つっぱりを感じない方向にゆっくり動かし、最後にすっと力を抜くと歪みが解消される
という方法。初期の理論(著書に詳細)では、客観的に骨格構造を観察して、運動系
の歪みを修正することを主題としているのが特徴。その後客観的な見方を離れて
個々人の内部感覚( 快・不快 )に基き生体のフィードバック機能を洗練させることが
重要であることをより強調する形になった。
現在では、より質の高い快適感覚を「 からだ 」 に聞き分け味わうという感覚分析を
するようになってきている。
■ 均整法
故亀井進の研究により、昭和26年に身体均整法として創始される。
身体均整法の基盤として、体の使い方が、左右・前後・捻りの6動作から人体を
『 12種体系 』 に分類。これを元に観察・設計・調整する。また均整法の3原則として
「平行性」 「可動性」 「強弱性」がありこの原則に基づいた施術をおこなう。
■ PNF
日本語では固有受容体性神経筋促通法と訳される。1940年代に Herman Kabat
によって始められた治療法で、元来は脊髄性小児麻痺 ( ポリオ ) 患者の治療法として
適用されてきました。その後この療法が多くの障害を持つ患者にも効果的であることが
わかりPNFは理学療法のリハビリテーションの一つの方法として発展してきた。
現在では中枢性疾患の患者からスポーツ選手のリハビリテクニックまでと幅広い。
「 固有受容器 」とは身体の変化を感じ取る受容器で、筋、腱、関節、皮膚などに存在し
筋紡錘や腱紡錘もこれにあたる。PNFは、この固有受容器を刺激することによって
神経-筋メカニズムの反応を促痛させる方法。
徒手による刺激としては触覚刺激、抵抗による刺激、関節刺激( 牽引、圧縮 )
伸張刺激パターンによる刺激などがありその他聴覚刺激、視覚刺激などを目的に応じて
用い機能回復に繋げてゆく。
■ MET
エネルギー手技( Muscle energy techniques )の略語です。
「 等尺性収縮後弛緩 = 筋肉の長さを変えずに力を入れた後にその筋肉は緩む 」
「 相反抑制 = 主導筋を使ったときに拮抗筋 ( 反対の動きをする筋肉 )は緩む 」
という筋肉の性質を利用。