人体の構成力

 『 体の歪み 』 ・・・この言葉は一部の整体師や療術家、はたまた患者さんへのインパクトという点では
絶大なものがあります。 一般論的な認識としては骨が曲がっているから症状が出る。
それを真っ直ぐにすれば症状も改善・・・などと、どうも骨格と筋肉などの軟部組織を別々の視点で診る節が
抜け切れません。

古式整体では人体を構成する力を構成力 』 と呼び、シンメトリーのような真っ直ぐは追求しません。
むしろ動きの中で的確な姿勢をとれることを第一とし、意識と体の連動を重視しています。

そこで今回紹介したいのがテンセグリティというモデル
テンセグリティ ( tensegrity )とは、tensional + integrity ( 張力の統合 )という言葉から
バックミンスターフラー & ケネス・スネルソンによって命名された構造です。
テンセグリティにはふたつの力が働きます。それは輪ゴムと木の棒がそれぞれ引っ張る力圧縮する力
このふたつの力によってちょうど良い均衡を保つことができ、崩れることなく立体のままでいられます。



テンセグリティ




今までの生体力学では、上下に重なってできた骨に筋肉が付着し、その筋肉が収縮することで周りにある
骨を引っ張って動かしているという概念が主流の感もありました。
いわば骨が主体で筋肉は働きに関与するもの。

テンセグリティでは人体を 『 テント 』 のように捉え、筋肉などの軟部組織全てが体の復元力・構成力に
関与していると考えています。テントは主にポール ( 棒 ) とシート ( 布 ) ・ロープでできています。
ポールがテント内の空間を確保しシートとロープが多方向からポールを引っ張り合うことで、ポールの位置を
決めています。 人体も同様に、全身に点在する骨を、全身の軟部織が引っ張ることでその形を維持しています。

 骨盤モデル  テンセグリティ
【 写真はここでもっと観れます The Geometry of Anatomy – the Bones of Tensegrity  】


人の身体が一定のまとまりをもっていられるのは、軟部組織 ( 筋肉・筋膜・靱帯・腱・皮膚など) が、
骨、内臓の位置を保っているからです。
更に生きている人体には、意識や意念といったエネルギー的なバランスも関与している事でしょう。
これを古式整体ではTRINITY つまり身体・心・環境の調和と捉えていきます。

動いたモデル

上のムニョムニョ動いているアニメーションは、テンセグリティモデルが引っ張られるとどんな変化が
起こるかをシュミレーションしたものだそうです。全体で調和を保ちつつ流動しているのがわかりますね。
アメーバみたい。 もっと小さく例えるなら、細胞単位で観てもきっとこういう構造になっているのでしょう。

こう観てみると、歪みとは骨だけの問題ではなく、連動する一連の補正作用の表れと思うのです。
【 整体 】 とは良くできた言葉ですね。
人体の 『 構成力 』 と 『 復元力 』 。そこに上手にアプローチできるのが療術家なのかもしれません。

次回の1Dayセミナーでも、きっとこんなお話が出てくると思います。
興味のある方はどうぞ → 古式整体 1DAYセミナー